■BaSSプロジェクト終了とRDMラボの設立

BaSSプロジェクトは2020年3月を持ちまして研究期間を終了しました。

そこで今後も継続的な支援組織として活動するために、
「NPO法人リデザインマネジメント研究所(RDMラボ)http://rdm-lab.net/site/」を2019年3月に設立し、BaSSプロジェクトの成果を引き継ぎます。引き続き皆様のご協力をよろしくお願いいたします。


研究代表 堤洋樹(前橋工科大学准教授)
http://rdm-lab.net/lab/


研究成果

※画像をクリックするとPDFもしくは出版社サイトが開きます

■2019年度シンポジウムパンフレット

2019年11月10日に開催した「第4回BaSSプロジェクトシンポジウム 住民参加による公共施設整備の未来 -BaSSプロジェクトの総括と今後の課題-」のパンフレットです。

■プロジェクトのポスター

12月4日~6日に東京ビックサイトで開催された「社会インフラテック2019」出展のために取りまとめた堤研究室のポスターです。

■出版物のご紹介

(左)小松幸夫、池澤龍三、堤洋樹、南学:実践 公共施設マネジメント、学陽書房、2019.10、ISBN 9784313121249
(右)堤洋樹編著/小松幸夫・池澤龍三・讃岐亮・寺沢弘樹・恒川淳基 著:公共施設のしまいかた、学芸出版社、2019.11、ISBN 978-4761527266


BaSSプロジェクトとは?

※RISTEXのサイトもご参照ください
http://ristex.jst.go.jp/i-gene/projects/h28/project_h28_4.html

「地域を持続可能にする公共資産経営の支援体制の構築」

…という名前の研究プロジェクトです。
研究概要には以下のように本プロジェクトを説明しています。

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 多くの地方都市では人口減少や少子・高齢化に伴い財政が悪化し、公共建築物や土木インフラなどの公共資産の維持・整備や運用にかかる経費の捻出が困難になっている。しかし、公共資産の現状把握が不十分なこともあり、自治体や住民の危機感は乏しい。

 そこで本プロジェクトでは、自治体職員が多世代の住民とともに地域生活の基盤である公共資産の望ましい姿を描き、実現させる支援の仕組みを構築する。具体的には、公共資産の老朽化や利用状況の評価を基に、将来世代を見据えた公共資産経営の方向を提示し、住民や議会も含めた合意形成に繋げていく手法を開発する。こうした知見を蓄積し、多様な地域を支援するプラットフォームの構築を目指す。

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このプロジェクトの英訳「Building a Support System to Public Facility Management for a Sustainable Region」の最初の方の頭文字をとってBaSSプロジェクトと名付けました。自治体・自治体職員だけでなく、住民や民間企業とともに積極的な提案を行うべく作業を行っています。今後ともご協力よろしくお願いいたします。


解決すべき都市・地域の具体的な問題とその原因、ボトルネック

地域産業の活性化など持続可能な地域生活を実現するためには
それらを支える公共資産の適切な維持・整備が不可欠であるが、
多くの地方都市では人口減少や少子・高齢化に伴う財政状況が厳しく
自治体職員らは公共資産の整備計画の策定に苦慮している。

その最大の理由は、
「目指すべき公共資産整備の姿」を明確に持つ自治体職員が少ないからだろう。
しかしこれは単なる自治体職員個人の資質の問題ではなく、
・客観的な情報収集・分析を計画策定にまで繋げる仕組み
・積極的な活動や負担低減を地域全体で支援する体制
が存在しないためではないだろうか。

本提案における持続可能な都市・地域のビジョン

自治体職員が、
客観的な根拠に不可欠な情報収集・評価・計画策定を
多世代の住民とともに共創する一連の手法を確立する。

→ 自治体職員の活動支援や負担低減を実現しつつ
 公共資産整備の進むべき姿を共に見出す仕組みを構築する。

公共資産整備の進むべき姿を明確に持ち実行に移せる自治体職員を育てることは、
最終的には住民の意識や責任の問題であり地方都市の存続にかかわる要点でもある。

自治体職員と住民が公共資産整備を通して
生産活動の目指すべき姿を共創する基盤が整備されれば
持続可能な地方創生の実現に繋がるだろう。

ビジョンを実現するためのプロセスと体制、そこにおける多世代共創

「2つのリサーチクエスチョン」

○自治体任せではなく地域全体で公共資産整備を共創する仕組みが構築できないか?
→ 自治体職員だけでなく多世代の住民が収集した情報や知見を一元化し活用することで、
 整備計画策定に不可欠な自治体職員の積極的な活動や負担削減を実現するシステムを構築する。

○地域を活性化し豊かな地域生活を実現する公共資産を整備・継続させる体制を実装できないか?
→ システムの運用や公共資産整備に求められる人材育成などを担う第三者組織を設立することで、
 全国の自治体と住民による公共資産管理の共創を実現させる継続的な支援体制を整備する。

本提案における多世代共創の概念

多世代=「高齢者」「社会人」「学生徒」「乳幼児」

生産活動の主体となる「社会人」は、
仕事や家事そして「幼児童」の対応に追われ自治体との取り組みに参加できていない。

→「学生徒」自らが公共資産整備に参加する仕組みを創設することで、
「高齢者」や「社会人」らも巻き込みながら地域全体を生産活動の主体に転じさせる。

多世代共創

新たな公共資産整備スキームの概念

・自治体職員と住民による公共資産情報の収集
・分析・共有を実現する仕組みの検証
・自治体職員と住民による公共資産の整備計画策定手法
・公共資産管理の進むべき姿の共創を継続的に支援する組織体制の整備

→ 多世代の地域住民らが自ら積極的に参加し創り上げる新たな公共資産整備スキームを構成

仕組と支援


RISTEXは、戦略的創造研究推進事業における社会技術研究開発の実施、またその他の研究開発にかかわる事業を推進しています。
研究開発活動によって社会の問題解決に寄与する成果が期待できる分野に、「研究開発領域・プログラム」を設定し、それぞれの領域総括あるいはプログラム総括を中心に研究開発活動を推進しています。
『研究開発成果実装支援プログラム』では、研究開発成果などを活用・展開して、社会の具体的な問題を解決する取り組み(実装活動)を支援しています。国などの公的研究開発資金で創出された成果の実装活動を対象とした<公募型>とRISTEXが実施した研究開発領域・プログラムで創出した複数の成果を集約・統合(パッケージ化)して実装を目指す<成果統合型>があります。

「持続可能な多世代共創社会のデザイン」研究開発領域について

http://ristex.jst.go.jp/examin/active/i-gene/i-gene.html

RISTEXは、平成26年度の新規研究開発領域として「持続可能な多世代共創社会のデザイン」を設定し、活動を開始しました。
成熟社会を迎えた現在の我が国では、人口減少・少子高齢化・財政赤字・気候変動などの複合的な問題に直面しており、環境・社会・経済などの多面的な「持続可能性」が大きな課題となっています。また、社会全体を考えるだけでなく、若者から高齢者まで、それぞれの生活の質の向上や心の豊かさの実現も求められています。
RISTEXでは、持続可能な社会の実現に向けて、多世代・多様な人々が活躍するとともに将来世代も見据えた都市・地域を、世代を超えて共にデザインしていく研究開発を推進します。

※BaSSプロジェクトは前橋工科大学堤研究室を中心に実施しています。 堤研リンク http://rdm-lab.net/lab/